ヴァナ・ディールの詩

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海からの贈り物

『ミザレオ海岸』
ルフェーゼ野と同じく、美しい景色の場所ではあるが…やはり曇っている事が多い。
海岸の呼び名ではあるものの、海に面している場所は少なく、しかも断崖絶壁だ。

船でここまで来るのは大変だろうが…船や人以外のモノはワリと流れ着くみたいだな。

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「あなた方は町から町へと移りゆく身…僕は、とても羨ましく思います」
確かに冒険者ってのは自由に動けるが、一つの場所を守るのも立派な仕事じゃないか。
「でも、この町にずっといると…あなたも聞かされませんか?かつてのタブナジアの事」
そうだな…オレも大戦前の事はほとんど知らない…賑やかだった、と言われてもな。

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「思い出すのは、美しかった昔のタブナジアの事ばかり…ぜひ見せてあげたかったわ」
そんな事を言ってる婆さんもいたな…かつてのタブナジアとは、どれ程の隆盛を誇ったのか。
「天候も今よりは安定していてね、海の音も凄く優しかったのよ…もう一度聞いてみたいわ」
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「ボウケンシャっていいなぁ…僕も早く大きくなって、宝を発見したいな」
5年前の件もあり、子供が外に出るのを禁止するのは仕方ないが、海も見た事ないのか…。
「海岸には、ぐるぐるした形の貝とかがあるんでしょ?いいなぁ見てみたいなぁ」

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まぁ…おせっかいじゃなきゃ冒険者は務まらないよな…はいはいカニさんちょっとごめんよ。

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まったく、貝を拾いに来ただけなのに、襲ってくるから…お、この巻貝なんて良さそうだな。

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「この音…!ほら、あなたも聞いてごらんなさい。いつも話してあげているでしょう?」
少年はほら貝の方が好みだったようだ…自警団の青年の提案で、3人で老婆の下へ。
「これは昔の海の音…タブナジアの海の音よ!」「はぁ…そうですか…どうも」
興奮する老婆とは対照的に、冷めた素振りで若者は貝を耳に当てる。
「これは…!」「…大丈夫?」「兄ちゃんどうしたの?」
若者は、貝を耳に当てたまま、全く動かなる。その目には、涙が浮んでいる様にも見えた。

「…この貝は、ぜひエケットさんが持っていて下さい」
講義する少年を説得し、晴れ晴れとした表情で、青年は老婆に貝を手渡す。
「アントレフィオも、もう少し大きくなったら海に連れて行ってあげるよ。約束する」
少年にそう言った彼は、この地を守り続けていく事に、もう迷いはないのだろう。
過去の記憶が、現代の若者に指針を示した…それは、海からの贈り物だったのかもな…。

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