タブナジア地下壕に発着する船舶の港としての役割を持つ。
とはいえ、最近使用したのはジュノのからの飛空艇と、アルドの船だけのハズだけどな…。
「忌むべき神と会話を交わしたのだぞ!これ以上の証はあるまい!」
部屋に入ると、長老の怒鳴り声した。彼にとって、プリッシュは厄介者でしかないのか…。
「おじいさま、全てをプリッシュのせいにするような愚かな真似はおやめになって下さい」
礼拝堂では動揺していたものの、ウルミアは友人としてプリッシュを庇う。
しかし、長老の耳に、孫娘の言葉は届かない。プリッシュは、タブナジアを離れる事となる…。
「紹介しよう、ミルドリオン枢機卿を探すため、サンドリアから飛空艇でいらした騎士殿だ」
部屋の奥から現れたのは、オレの知っている人物だった。プリッシュを引き取ると言う。
プリッシュはあくまでも明るく、それを受け入れたが、胸中は…どうなのだろうか。
「安心するでござる。我輩、何があっても決してプリッシュ殿から目を離さんでござる」
船着場の扉前で、皆に別れを告げるプリッシュ、その中で、テンゼンが話しかけてくる。
「やっぱりウルミアは来ないのか。もう二度と会えないのかなぁ」
プリッシュの表情が曇る…明るく振舞ってはいても、このまま別れるのは悲しすぎるよな…。
今まさに飛空挺が出発しようとした時だった「待って!私も…連れて行って下さい!」
ウルミアの瞳に涙が浮ぶ。一時の不安があれど、二人の友情の絆は強かったのだろう。
「じゃあなー皆、元気でやれよー!」「先にサンドリアでお待ちしているでござる!」
「あれほど止めても無駄でした。ウルミアはプリッシュと共に…」
老人は、孫娘の信頼を失い、さらに老け込んだように見えた。
「私は、この地で皆が生きのびるために尽くしてきたつもりでしたが…」
戦後20年…あんたも苦労したんだろう。でも、今タブナジアは拓かれた…そうだろ?
「勝手な事をとお思いかも知れませんが…ウルミアを…」
オレもこの後あいつらと合流する。ウルミアは大丈夫。彼女は…強い女性だ。
「なんですって?ルーヴランス様が?そのような話、初耳でございますが…」
大聖堂では、誰一人タブナジアへの使者の話を知らなかった。どうなってんだ…?
「しかし…我々が知らない程の極秘任務なのかもしれません。港では確認したのですか?」
「…残念ですが、タブナジア候国へ向かったという飛空艇の登録はありませんね」
何度確認しても、返答は同じだった。プリッシュ…一体どこへ連れてかれちまったんだ…。