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ヴァナ・ディールの詩

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南方の伝説

『プルゴノルゴ島』
ミンダルシア大陸の東、ググリュー洋に浮かぶ南海の孤島。
島全体を熱帯雨林に覆われており、気候はすこぶる穏やかである。
島の中央にはトコペッコ山があり、チョコボの餌であるトコペッコの野草の原産地とされる。

最近とある資産家によって島の権利書が買い取られたらしいが…。

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西の空に月が沈みかける頃、ビビキー湾に、マナクリッパーと呼ばれる船が入港した。
やっと来たか…早く着きすぎてしまったため、かなりの時間待つ事になってしまった。
焦っているのかもしれない…ルーヴランスは、船に乗り込むと、今一度、自らを戒める。
今までずっと機会を待ち続けて来たのだ。出港を待つ程度の事、何でもない…。

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日の出と同時に、マナクリッパーは、プルゴノルゴ島へ向け、出港する。
戦い続けてきたルーヴランスの、その目的がようやく実現に近づいている…。
船上から見える朝日は、彼を祝福しているかのようにも感じられた。

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大陸とは明らかに違う深緑の海の色、気のせいか、空の青さまで際立っている様に思える。
プルゴノルゴ島は美しい島だった。全てが片付いた後、次は観光で訪れるのも悪くは無い。
ルーヴランスの胸に、久しく忘れていた穏やかな感情が浮ぶ、が、それは一瞬の事だった。
桟橋のミスラに尋ねると、島はさして広くなく、1週しても半日もかからないそうだ。
今日中には帰れそうだ…ルーヴランスは、白い砂浜をゆっくりと歩き出した…。
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「…ギチギチギチ…」
ウォーマシン、主にオーク族が使用する兵器が、南国の楽園に、耳障りな音を立てる。
この様な物が最初からここにあるはずはない。ルーヴランスは、大剣を構え、ウォーマシンに向かって振り下ろした。
「僻地へ隠れ住み、人との絆を断とうとする輩には、話し合いなど無意味…出てきなさい!」
「…やれやれ、サンドリアでくたばるようなタマじゃあないとは思っていたが…」
ルーヴランスの前に、見覚えのあるタルタルが現れた。今度は…逃がすわけにはいかない。
タルタルは、滅亡前のタブナジア大聖堂から密命を受けていた。その内容は、神都アル・タユの捜索。
ミルドリオンの消息が不明な今、密命の内容を知る者は他にいない。どんな手段を使っても、彼が掴んだ、何か、を聞き出さなければならなかった。
「た、確かにアル・タユへの道を探してはいたが、結局そこへ至る事はできなかったのじゃ!」
身体の左側に大剣を構えなおしたルーヴランスに、タルタルは慌てて言う。嘘ではない。しかし、その程度で引き下がるルーヴランスではなかった。

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「それだけならば、こんな所へ隠れ住む必要もない。選びなさい、口を閉ざすのか…その生を閉ざすのか!」
年月を経て、隠居していたタルタルに、かつての戦意は、もはやないようだった。
「待て待て!分かった教える!ワシらが突き止めたのは、その道が100年前に一度開かれたという事だけじゃ!」
その時だった、タルタルの思考に反応したのだろうか、ルーヴランスが懐に忍ばせていた『再生の鏡』が光を放つ。
鏡が映し出したのは、タブナジア大聖堂、そして、男神の像…だった。
「ワシが知るのはそれで全てじゃ!これでサヨナラじゃ!」
鏡に気を取られていたルーヴランスが顔を上げた時、タルタルの姿は、既に遠くにあった。
この距離ではもう追いつけまい、しかし、聞くべき事は聞いた。
あの像が見えたという事は、あれも神都アル・タユと関係する物なのだろうか?
「そういえば、昔ウィンダスにあの像の調査を依頼した事があったな…」
呟き、歩き出す。まだ陽は高かったが、最早この島に用は無かった。
どうせ自分しか客はいないのだ、船頭に多少の金を握らせて、すぐに船を出させればいい。
自然と足が速まる。それが焦りであったのかどうかは…本人にすら、知る由もない事だった。

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