ヴァナ・ディールの詩

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なにゆえにその子は

『バグベア』
品種改良によって大型化された作業・運搬・警備用のモブリン奴隷。
腕・脚・心の臓には生体改造まで施されており、途方もない怪力を出す事ができる。
死体から追加移植された眼と脳によって、右手と左手で全く異なる作業も器用にこなす。

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ルーヴランスの大剣が、バグベアへ振り下ろされる。
充分に力の乗ったその一撃により、巨体は生命活動を停止させた。
「もう終わりかー!?」「本気を出すほどもねぇぜー!」
残ったモブリン達も、チェブキー兄妹に押されている。
彼等の戦闘能力が高いのは意外であったが、戦局はほぼ決まったようだった。
「あああっ!ちょっとまてーっ!しょーきんはーっ?どこだーっ!?」
うろたえはじめるチェブキー兄妹、周囲を見回し、ルーヴランスもすぐにその意味を悟る。
あの少年、セルテウスが…いなくなっていた。

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逃げ出して行ったモブリン達を追い、走り出すチェブキー兄妹。
続こうとしたルーヴランスを、ジャボスと名乗るガルカが制止した。
「これ以上は…危険だ…すぐに…帰れ…モブリン達…とても…興奮してる」
シャボスの言う事は正しい。いかにルーヴランスといえども、ムバルポロス中のモブリンを相手にして、無事で済むとは思えなかった。
「出口は…向こう…それと…ここで見た事…聞いた事…決して…他言…するな」
「いや、そうはいきません。ジャボス殿、あなたの話、私達には気になる事ばかりです」
ルーヴランスは決然と言った。ここで引き下がれば、ムバルポロスまで来た意味がない。
「そうか…お前…さっきのヤツの事…知ってる…?なら…俺が…バストゥークに…行こう」
ジャボスは、シドを交えてならば、自身も話したい事があると言う。
ムバロポロスを出た二人は、急ぎバストゥーク大工房へ向かうのだった。

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「バストゥークも…随分変わった…この酒場も…以前は…無かった」
感慨深そうにジャボスが言った。モブリン達との生活が当たり前になっていた彼であっても、人間の街は故郷であり、懐かしいのだろう。
「ここはソーセージが名物だと聞いています。お疲れでしたら休んでいかれますか?」
ルーヴランスの言葉にジャボスは頷く、表情に変化はないが、やはり心労が溜まっていたのかもしれなかった。
「では私はシド殿を呼んで参ります。ここで待っていて下さい」

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港から、商業区への通りを急ぐルーヴランスの後方で、突如として騒ぎが起こった。
悲鳴…怒号…それらは、とても酔った客同士の喧嘩とは思えなかった。

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ルーヴランスが酒場へ駆けつけた時には、既に騒ぎは収まっていた。
従業員が、割れたグラスを片付けているのが目に入ったが、幸い、店にそれ程の被害は無かった様だ。
しかし、そこにいるはずの、ジャボスの姿はない。今の騒ぎは、彼が原因だったのだろうか。
「あらいらっしゃいませ、申し訳ありません。先程少々騒ぎがありまして…ご注文は?」
店の主人に客に話を聞いてみると、ゴブリン達が突然入ってきて、暴れだしたとの事だった。
「でも、居合わせたガルカのお客様が、どうやってか分かりませんがゴブリンをなだめて…」
彼を一人にした自分の迂闊さを、ルーヴランスは呪った。モブリンは、ジャボスがいない事に気付き、ムバルポロスから追って来たのだろう。
彼の知る情報は、どうしても必要だった。ジャボスを連れ戻すため、ルーヴランスは、再び、陽の差さない地下都市へ、足を踏み入れるの…。

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