ヴァナ・ディールの詩

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

望むはあらゆる答え

『石の記憶』
別名『神の歌』全五節からなり、現在では一部しか伝わっていないとされる。
全てを歌い終えた時、古の神が降臨すると言われているが…。

Are111222210731a.jpg
5つ目の歌はセルビナにある、とプリッシュは言い残し、枢機卿と共に去った。
最後の歌を知る事ができれば『石の記憶』は完成するだろう。しかし、それは自分が、神を降臨させる手段を得るという事。
そして、神を降臨させた時、プリッシュはどうなるのか。様々な想いが渦巻き、ウルミアは、動く事ができずにいた。
「ウルミアさん…話は聞かせて頂きました」
大公宮の冷たい床に座り込むウルミアの前に現れたのは、ルーヴランスだった。
彼にとって、気配を消し、情報を収集するのは容易い事だった。混乱により、謁見の間の警備が手薄になっている状況ではなおさらだ。
その技能で、ウルミア達の話を盗み聞きしていたのだが、今のウルミアには、それを不審に思う心の余裕は無かった。
「私に心当たりがあります。セルビナには、過去の記憶を失っている女性がいるのですが…」

Are111229164933a.jpg
自分には、記憶を蘇らせる方法がある。とルーヴランスは言った。
枢機卿を探していたはずの彼が、何故『石の記憶』の再現のために協力するのか。
そんな疑問を抱く暇も無く、彼に急かされ、ウルミアはセルビナに到着していた。
「ここの織工ギルドに彼女はいるはずです。さぁ行きましょう」
迷いの無い足取りで歩き出すルーヴランスに続いて、織工ギルドを訪れたウルミアを待っていたのは、20年前に別れた友人だった。

Are111222211255a.jpg
「もしかして…あなたは、エメリーヌ!?ウルミアよ!ほら、聖歌隊で一緒だった!」
織工ギルドで働く、長く美しい金髪を後ろで束ねた女性に、ウルミアは見覚えがあった。
歳月を経ても、聖歌隊で過ごした日々を、その面影を忘れる事は無かった。
タブナジア陥落の際、行方不明になっていた友人との再会に、ウルミアの心は弾んだ。
「人違いじゃないでしょうか?私はエメリーヌではなくて、マチルドといいます」
しかし、不思議そうに首を傾げると、彼女はそう言った。そんな仕草も、昔と同様であった。
戸惑うウルミアに、彼女は過去の記憶を失っている、とルーヴランスが耳打ちする。
「あ…ええ、そうなんですか…間違えてしまってごめんなさい…」
あきらめて引き下がろうとしたウルミアに変わって、ルーヴランスが彼女に声をかけた。
「あなたが、あなただけが知っているはずの、ある歌を教えて頂けませんか?」
タブナジア…ミルドリオン…神の歌…ルーヴランスは、呪文の様に言葉を続けながら、懐から、彼が持つには不似合いな手鏡を取り出し、彼女の前に掲げた。

Are111229165022a.jpg
「先ほどのは…何かの魔法だったのですか…?」
マチルドに別れを告げ、織工ギルドを出たところで、ウルミアはルーヴランスに尋ねた。
ルーヴランスが掲げた鏡には、20年前のマチルドが、神の歌を歌う姿が映し出されていた。
しかし、記憶が戻ったわけではなく、本人は、自分の姿だとすら認識できなかった様だった。
再生の鏡、という、盗賊なら誰でも知っている名器ですよ。それよりも…」
あの歌はもう歌えるか、とルーヴランスはウルミアに念を押す。しかし、歌えるかどうかと、歌いたいかどうかは、別の話だった。
悩む素振りを見せたウルミアに、ルーヴランスは慰める様に言った。
「もしかしたら、その歌を使う必要はないかもしれませんよ」
なぜ?と問うウルミアに、歌を使わずバハムートを納得させられれば、と彼は答えた。
それが不可能であるからこそ、現在の事態になっているのだが、プリッシュを助けたい一心のウルミアは、ルーヴランスの言葉の矛盾に気付く事ができなかった。
「それに、タブナジアの魔石。あれを手放すは惜しい…」
ルーヴランスの呟きは、セルビナの潮風に掻き消され、ウルミアの耳に届く事はなかった。

Are111229165328a.jpg
「母さん、これ、海岸で拾ったんだ。あげるよ!」「まあ、きれいな貝殻、ありがとう」
織工ギルドに、つむじ風の様に走りこんで来たのは、彼女の愛する息子だった。
「アシュティアが待ってるから、また行ってくるね!」「気をつけるのよ、アルド!」
息子の名を呼んだ時、彼女の頭にふとひっかかるものがあった。
遠い昔、まだ自分が子供の頃にも、その名を呼んだ事があるような気がした。
それは、先程訪れた女性によって、閉ざされていた記憶の扉が少し開いたせいなのだが、彼女が、それ以上の記憶を取り戻す事はなかった。
何故なら、今の彼女は幸せに満たされており、辛い過去を思い出す必要などないからだ。
もう思い出す事のできない、過去の自分の宝物達が、今の自分と同じ様に幸せである事を、彼女は、女神アルタナに願うのだった…。

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

いよいよPMも終盤へ向けて盛り上がってくるところですね^^
少しずつNPCたちの過去や身の回りが見えてくるのは楽しいですよね。
さて、今年も一年お疲れさまでした^^
来年もお体に気を付けてお互い頑張りましょうね!
引き続きよろしくお願いしますッ

Rikaho | URL | 2011/12/31 (Sat) 10:04 [編集]


 
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。