ヴァナ・ディールの詩

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決別の前~罪狩り

『ビビキー湾』
ミンダルシア大陸の南東、ググリュー洋に面した入江。
かつてはタルタル漁民により魚貝や海草の大規模な養殖が行われていた。
しかし、ミスラ漁民の進出に伴い、豊富な水産資源は残されたまま、養殖業は廃れてしまう。
そこに目をつけた漁業ギルドは、この湾内の漁業権を得、小型の魔行漁船で漁を始めた。
いずれ冒険者にも開放し、一儲けしようという皮算用もあるようだ。

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罪狩り、スカリーYは、飛空艇の補修作業に必要な鉱石を集めているという。
ビビキー湾に向ったオレが目にしたのは、巨大な水棲生物と戦う彼女の姿だった。
「くっ…この!タコだかイカだか知らんが、生理的な嫌悪感が…」
テンゼンに聞いたんだけど、東方では、魚を生で食うらしいぜ…?

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「すまん、助かった。いらぬ手間をかけさせてしまったようだな」
珍しく殊勝な物言いだ。真竜にすら一人で挑む彼女にも、苦手なモノはあった様だ。
「そうか、いよいよ、男神の意志を継ぐという『世界の終わりに来る者』と戦うときがきたか」
仮面から僅かに覗くその口許が、彼女の決意の強さを表すかの様に、きつく結ばれた。

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「男神のことは、私たちミスラの伝説には現れぬ。怖れなきミスラが敵の名を残さぬは…」
それほどに忌むべき相手なのか、それとも…その先を言葉にするのは、躊躇われた。
「あらまァ!なんだか弱気な匂いがするわ!」「姉さんらしくないよ!」
いつの間にか、洞窟の出口に、罪狩りの姉妹が揃っていた。

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「スカリーY、スカリーX。今回、お前達の同行は許さん」「えぇっ!?」「なんだって!?」
罪を狩る事、それ自体もまた…スカリーZは、罪狩りとして、その苦悩を背負い続けてきた。
「お前達の役目は、我らが本国を守る事。忘れてはならない。その手立てを探り続けよ」
神と対峙する業と、さらなる苦悩を、妹達にまで背負わせたくはなかったのだろう。
「姉貴は昔っから…オイシイとこ取りするのよネエ…」「…姉さん!必ず戻ってきてよ…!」
多くを語らずとも、姉の想いを、妹達は理解していた。3姉妹に、束の間の笑顔がこぼれた。
妹達にひと時の別れを告げ、振り返ったスカリーZは、オレを真っ直ぐに見つめ、言った。
「私は、一人のミスラの戦士として戦うつもりだ。罪狩りとしてではなく、私の本当の名は…」
罪狩りの宿命を背負ったミスラの名は、ビビキーの潮騒と共に、オレの深く胸に刻まれた…。

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