ヴァナ・ディールの詩

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

傷ついたもの

傷ついた青年は、過去の想いをまだ捨てきれずにいた。
女々しいと思うかい?ま、男なんて大抵そんなモンだ。
決して忘れるワケじゃない。その想いを胸に抱いて、歩き続けるのさ。

Are120321185252a.jpg
「やあ、久しぶりだね。こっちは…ようやく彼女が去ってしまった傷口がふさがりそうだよ」
自暴自棄になっていた男の顔は、多少明るくなったようだった。
新しい出会いがあったワケじゃない。でも前には進まなきゃいけない。
そんなコトを語りながら、オレ達は男二人で杯を重ねた。
「彼女からもらった腕輪、ずっと持ってたんだけど、思い切って捨てようと思ってるんだ」

Are120321192529a.jpg
「着いて来てもらってすまない。でも、一人じゃ決心が鈍るかもしれないからね」
多少、名残惜しそうな様子を見せながらも、彼は、池に想い出の腕輪を投げ入れた。
腕輪が、ゆっくりと沈んでいき、完全に見えなくなるのを、オレ達は黙って見つめていた。
「ありがとう。なんか胸のつかえが取れたような気がするよ」
やがて、顔を上げた青年は、もう自暴自棄の吟遊詩人などではなかった。
頑張れよ。今のあんたなら、きっと良い詩が詠えるさ。

Are120321192801b.jpg
いずれ、誰かがあの腕輪を見つけ、何かを想うかもしれない。
同じ様に、オレ達が、時の淀みに埋もれた想いを掬い上げるコトもあるだろう。
少し切ないけど、そうやって、人の想いが繋がっていくならば悪くない…そう思わないか?

PageTop
 

コメントコメント


管理者にだけ表示を許可する
 

 
 

トラックバックトラックバック

トラックバック URL
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。