ヴァナ・ディールの詩

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時の輪の交わる処

『修道窟』
かつてはサンドリアの修道士達が修行を積む場だったが、現在はオークに占拠されている。
この地をオークから取り戻し、ラヴォール村に、修道院が再建される日は来るのだろうか。

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「ほう、汚い…いや古い指輪じゃな。こりゃ、彫金ギルドに持っていってもどうにもならんな」
骨董品に詳しいという爺さんを紹介してもらったものの、頼りにならない事を言う。
「お前さん、今失礼な事を思ったじゃろ?せっかくこの汚れを取る方法を教えてやろうと…」
爺さんをなだめ、おだて、聞き出した方法は、指輪を千年雪に埋めるというモノだった。

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ザルカバードの洞窟の奥には、大昔のけがれのない雪が降りつもっている。
その雪に品物を埋めておけば、どんな傷や汚れも、跡形も無く消し去ってくれるという。
半信半疑のまま、一昼夜の後取り出した指輪は、何と、新品同様の輝きを放っていた。
今まで読み取れなかった文字は、どうやら古代サンドリア文字のようだった。
まさか王家縁の品…何てコトはねぇだろうが、行って聞いてみる価値はありそうだな。

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「お前さん、これを一体どこで見つけた!?」
ドラギーユ城の庭師、シャルヴァトは、指輪を手に取り、驚きの表情を浮べた。
「これは…わしの先祖が仕えた、かつての王妃の想いが籠められた指輪なのじゃ」
庭師は、指輪にまつわる、吟遊詩人の哀しい物語を語ってくれた。
エルディーム古墳に眠る、その詩人の想いが、オレにこの指輪を託したのだろう。
そして今、王妃が残し、庭師の家に密かに受け継がれてきた、対になる指輪と出逢った。
「その後王妃は、修道院に入り、ひっそりと生涯を終えられたという事じゃ…」

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「もしよければ、指輪をかつての修道院である修道窟の祭壇に納めてきてはくれぬか?」
そんな話を聞いちまった以上、庭師の老人の頼みを断るコトはできなかった。
今では誰も訪れるコトのないであろう、苔むした祭壇に、指輪を納める。
真実の愛に生きられなかった二人よ、安らかに眠ってくれ。

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「ご苦労じゃった。王妃に代わって、ちゃんとしたお礼をせねばならんの…」
シャルヴァトは、庭の一点を見つめ、突然言葉を忘れたように絶句した。
その視線の先にいたのは、古墳で出会った幽霊と、エルヴァーンの女性だった。
仲睦まじく寄り添う二人の指には、オレが修道窟に納めた指輪が光り輝いていた。
「おぉ、あれは…」
庭師の瞳から、一筋の滴が流れ落ち、庭園の花を濡らす。
この庭園の美しさが続く限り、二人の魂も離れる事はないだろう。そう、今度こそ…永遠に。

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コメントコメント


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コメントありがとう!

諸事情あって長期間放置してたので、コメントに気付きませんでした!申し訳ない!
もう少ししたら無理のないペースで再開できれば…と思っているので、気が向いたらまた来てやって下さい ノシ

Aretino | URL | 2012/06/05 (Tue) 01:39 [編集]


SSと文章がよいですね!

彷徨っていたらたどり着いた!
こういった感じのblogあまり見ないので、すごく読み応えがあって面白かった!

たろ | URL | 2012/04/29 (Sun) 10:35 [編集]


 
 

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