ヴァナ・ディールの詩

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渇望

『エジワ蘿洞』
ワジャーム樹林の地下に広がる長大な洞窟。つる草を始め、羊歯や粘菌、緑藻など地下世界に適応した植物が洞内を覆い、地表とはまったく異なる独特の鮮やかな景観を作り上げている。またここは、ほとんどが海に没したとされる古代オルドゥーム文明の町があった場所として知られ、いたる所に石柱や祭壇等の遺址が残っている。しかし獣人が勢力を増し、皇国軍による保全が廃止された昨今は、キキルンやマムージャ等による盗掘が跡を絶たないようだ。

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苔の生い茂った地面を踏みしめながら、洞窟内を進む。
エジワ蘿洞の内部は、奇妙な発光する植物のせいか、松明の必要がない程に明るい。
近くに生物の気配はないが、この地方は獣人の勢力が強い。油断はできなかった。
かつてこの場所には、古代文明の町があったとされている。
しかし、いつ、何のために造られ、そして滅びたのか、詳しいコトは分かっていない。

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急に視界が開けた。洞窟内とは思えぬ程広く、光る粉の様なモノが宙を舞っている。
虫の類か、植物の花粉か…とはいえ、今日は植物採集をしにきたワケではなかった。
あった、こいつか…。
遺跡の地面を少し掘り返すと、4つの車輪がある金属製の物体が埋まっていた。
白門で出会った爺さんによると、この遺跡ではこういう遺物が発見されるそうだ。
そいつを探索し、研究者である爺さんの下へ持ちかえるのが今回の仕事だった。

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さらなる探索中、紋様の刻まれた台座を発見し近づくと、不意に背後から声がした。
「古代オルドゥーム文明では、ここで何らかの儀式が行われていたのだろう」
振り返ると、そこには青魔道士の装束に身を固めた男が立っていた。
「私は『不滅隊』のヤスフル、お前は…異国から来た冒険者だな?」
不滅隊…詳しくは知らないが、青魔道士のみで構成された部隊と聞いたコトがある。
「なるほど、新しい器としての適正はある様だ、奴の占いも捨てた物ではないな」
ヤスフルと名乗った青魔道士は、そう呟くと、値踏みする様にオレを見つめた。
その覆面から覗く眼光は、相対する者を射抜くかの如く鋭さを増していく。
「お前には力への渇望がある、それを叶えてやろう。さあ、この手を取るが良い」
大きく見開かれた男の左目が、別の意志を持っている様に蠢き、妖しく輝いた…。
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気が付くと、ヤスフルの姿は無く、オレは、一人遺跡に佇んでいた。
頭に靄がかかっている様だった。記憶が途切れている…のか?
何も思い出せぬまま、気だるい身体を動かし、仕方なく白門への帰路につく。
力の代償として刻まれた呪印、その行く末は、古代文明ですら預り知らぬ事であった。

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